未明、ガラガラとシャッターを開けると、暗がりの中をテン達が代わる代わるやってきて「ねえ、お願い」と窓ガラスを引っ掻く。
雪はたちまち消えた。
玄関の陽だまりに咲く金魚草を除いて、外は寒々とした景色が広がっている。
日が昇る頃はリス達が松の木の周りをチョロチョロと走り回る。
窓辺のお食事処には、テンだのリスだのの間隙を縫って、ヤマガラたちが飛んでくる。
私はブラームスの「冬の景色」は好きだけど、日本語の歌詞の中に「しばし眠る冬の自然」とあるのが気になる。。眠ってなんかいないもの。動物たちは食料調達に大忙しだし、木の芽も日毎着実に膨らんでいる。
見る気にならなければ見えないものは世の中にたくさんあるのよね。