子猫のポポちゃんは実家に帰らない。 時々母さんのミーヤが様子を見に来ると、嬉しそうに駆け寄るが、ミーヤが居なくなってもポポは、ほよ村に残る。
何時も夜は、無加温の小さな温室の片隅に置かれた発泡スチロールの箱の中で寝ているが、今朝、見に行くと居なかった。 どこで寝たのだろう。
明るくなると庭を歩いて、寒くなってヨタヨタと飛ぶバッタなどの虫をハンティングしたり、木登りをしたりする。 疲れれば、御食事処のボロ着を入れた箱の中でお昼寝する。 時には、ヒマワリの種を食べに来る小鳥達を「何時か捕まえてやるわ」と、じっと見つめたりしている。 小鳥達は猫なんぞがどんなに跳ねても捕まらないと知っているから、平気だ。
朝晩ストーブを焚くほど寒くなってきたので、夜だけでも家の中に入れたいのだが、入らない。
朝、未だ暗い内にタヌキ達が来て、御食事処で大騒ぎしていると、ポポは窓辺のカウンターにひっそりと座って「ミャー」と言う。 「アタシはここよ。食事は魚とミルクにしてね」
食事は殆んど「ほよ村御食事処」に頼っているのに、本人は自立しているつもりだから、極端に人の関与を嫌う。 大威張りだ。 ま、私も含めて、人間にもこの手の人はいるけどね。
猫はコタツで丸くなるそうだから、寒さには弱いのでは無いか。 どのくらいの寒さに耐えられるのだろう。 猫を飼った事が無いから判らない。 耐えられなくなったら、ミーヤとお家に帰るのだろうか。
国民的漫画「あられちゃん」に出てくる、父さんにマンモスいちごを食べられて家出したサラダキノコちゃんに、ポポちゃんはそっくりだ。