今日は朝からみぞれが降っている。 外で遊べないという事だ。 鳥達もあまり飛んでいない。 ツガの木などの常緑樹で雨宿りしているのだろう。 人も鳥もみぞれは苦手だ。 大人しく音楽を聴いたり本を読んだりしていよう。
若い頃はイギリスの貴族のような生活が理想で、「恵まれ過ぎて、生きているのが虚しい・・・」なんてセリフを一度言ってみたいと思っていた。 彼等は虚しさを紛らわすためにアフリカなどへ冒険の旅に出たという。
今、私は暖衣飽食し、宮廷楽士はおろか宮廷に入りきらないオーケストラまでCDという形で所有している。 図書館に行けば、たいがいの読みたい本は手に入る。 テレビやネットという「どこでもドア」で、居ながらにして冒険ができる。 その上、飼育係という自動雪掻き機にもなる変幻自在のマシーンもある。 恵まれていること、イギリス貴族どころの騒ぎじゃない。 これ以上の贅沢を望んだら撥が当たる。 この豊かさはひとえに世界中の有能な人々の英知と努力の積み重ねに拠る。 だから、無為徒食の私は才ある人々に感謝し、応援しなければならない。
彼等には思う存分豊かな生活をして頂きたい。 全力投球の人生の疲れを癒して頂きたい。
そうでなければ、いつか、後に続く才能ある人々が居なくなってしまう。