雨だ。
三日も降り続いている。
樹木の緑も日に日に深まり、外に出てやりたい事は山の様にある。 晴れている時は「家の中の事は、雨の日にやろう」と思っていたのに、雨が降っても家の中の事はやりたくない。 「内だろうが外だろうが、雨降りに人は動かないものだ」という事が判明した。 ひたすら雨の止むのを待っている。 ここは、ちよ丸が置いていった面白そうな本を読むしかない。 文字を追い始めると直ぐに眠くなる。 コーヒーが必要だ。
云うまでも無く、私は可也そそっかしい。
熱湯をコーヒー粉とチルミルと黒砂糖をミックスした中に注いだ。 カメムシの臭いがする。 「へー、コーヒーって一歩間違えるとカメムシの臭いになるのね!実は私の香り分析能力は凄いんじゃないかな!」と、私の能力の新たな発見に気をよくして、しみじみコーヒーを見つめると、何とカップの中にカメムシが浮いている。 本物のカメムシの臭いだったのだ。 ひどい誤解だ。 カメムシには気の毒な事をした。 カメムシは五右衛門という名に違いない。
私はカメムシの臭いが嫌いだ。 だから、コリアンダーの香りも苦手だ。 似てると思わない?
五右衛門も私もついていない。
アーア、早く雨止まないかな・・・・
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